あ | |
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【あーとし】 | 表面に白い光沢をつけた紙で、なめらかな感触と重量感がある。写真や絵画などの網版印刷の用紙として好適。 |
【あいえすびーえぬ】 ISBN | 「国際標準図書番号」が正式の名称。市販する書籍・雑誌にコード番号をつけて流通の合理化をはかるための番号。国籍コード(日本は「4」)、出版社コード、分類コードが含まれている。 |
『あいし』にはいくつかの意味があり、 (1) 本文とは別に印刷される、扉、中扉、口絵色刷り図版などを保護するために挿入する薄い紙のこと。 (2) 製本作業後には抜き取る、ページなどの間に入れる紙のこと。これは扉などの印刷インキがよく乾燥していない時や、製本接着剤のはみ出しが多い時に挿入され、製本作業をスムーズにする目的で使用される。 (3) 面付けの多い印刷物を断裁するときに、小裁ちしたあとの員数を数えやすくするために入れる色紙のこと。 | |
【あがり】 | (1) 折丁を開いて鞍(クラ)に乗せるとき、突き当てに正しく揃えないと綴じあがった折丁が不揃いになる状態をいう。 (2) 印刷紙を断裁する前に突き揃えするとき、針と咬え(くわえ)が揃っていない状態。 (3) 化粧断ちの後、ケシタに袋が残り断ち残りのある状態をいう。「もぐり」ともいう。 |
【あき】 | 書籍などの文字・絵等の印刷面(版面)ととじ目の間にあるノドの部分の余白、あるいは刷り本の天地・左右の余白の部分をいう。 |
【あき】 | 本を開閉するときの開き具合。 |
【あじろとじ】 | 印刷物をとじる方法のひとつ。折丁の背に切り込みを入れ、接着剤をしみ込ませて背を固める糸を使わないもう一つの方法。無線とじを改良したもので、無線とじと同じではない。日本で発明され、欧米に輸出された技術である。 →綴じ方の種類参照 |
【あつびょうし】 厚表紙 stiff cover | 上製本の表紙は、芯ボールの厚さにより厚表紙と薄表紙に区別される。厚表紙は芯に板紙(ボール)などの厚紙を用い、その上に革やクロス・布地・印刷紙などの表紙材料を貼ったものをいう。 対義語:薄表紙 |
【あそびがみ】 遊び紙 flyleaf paper | 印刷されていない白紙ページが、本の中身の前後に入っているとき、これを「あそび紙」という。中身の体裁を整えるための紙。「見返しの遊び」とは別 |
【あまりちょう】 余り丁 | 全ての作業終了後、刷本・折丁が注文数または納入数より多く、余ったものをいう。 同義語:余丁 (よちょう) |
【あわせちょうあい】 合わせ丁合い marry | 折丁数の多い本の場合、1回の丁合いでは取りきれないため、2回以上に分割し丁合いしたものを最後に合わせること。 |
【あんかっと】 アンカット uncut edge | 本の中身の一方ないし三方を化粧断ちしないで仕上げる製本の一様式。 |
い | |
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【いたがみ】 板紙 board | 本の表紙の芯にする紙、あるいは背紙、中身の背貼り紙、本のケース(函)などに用いられる材料紙の総称。薄表紙には板紙として地券紙が使われ、厚表紙には黄板紙(チップ、特ボール)が主として用いられている。箔には白板紙が多い。ボールともいう。 |
【いちおり(おおおり)】 一折(大折り) | 最初の一折りのこと。一折りすれば4ページになる。あとに「中折り」「小折り」と続く。 |
【いちぶぬき】 一部抜き | 製本を始める前に、表紙・扉・口絵・本文・見返し・カバー・売上カード・広告等、一冊を構成する刷り物から搬入された時点で1枚づつ抜き取ること。手順・目的はつぎのとおり。 |
【いっちょうきりかえ】 一丁切替え | 製本完了後、あるページだけ内容や印刷に重大なミス等がある場合、そのページをノドから数ミリのところで切り離し、訂正されたページをその数ミリに糊付けして仕上げる製本処理のこと。 |
【いっぽうづみ】 一方積み | 積み方の一種。刷本や折丁、本などを同一方向に積み上げること。「棒積み」ともいう。 |
【いとかがり】 糸綴り thread sewing | 丁合いされた巻頭の折丁から最終折丁までを綴じ合わせることをいう。 |
【いろぞめ(いろぬり/いろつけ)】 色染め(色塗り/色付け) | 小口装飾のこと。 関連用語:小口色付け(小口色塗り/小口色染め) |
【いんさつけんとう】 印刷見当 register | 刷り本を正確に折るため印刷面(版ヅラ)を見当の基準にして折ること。実際に折ってトンボとトンボが一致することを確かめる。 |
【いんさつはく】 印刷箔 | 印刷機内で箔の色に似た色を印刷してしまう。金インキ、銀インキ等、箔色に近い色調が出せるようになって、擬似箔として表紙印刷等に行われている。 |
【いんさつびょうし】 印刷表紙 | クロス及び紙に箔押しした表紙ではなく、印刷した表紙。 |
【いんずう】 | 数をかぞえるという意味で、製本に必要な刷り本の用紙の数をかぞえる作業。たいてい刷り本の断ち割りを行うための準備として行う付き揃えの後で員数を調べる。印刷から回ってきた刷り本の枚数を確認すること。 |
う | |
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【うしろはり】 後貼り back pasting | 折丁と折丁の間に別丁が入る場合、折丁の後ろ側(偶数頁)に貼ることをいう。「前貼り」もある。 対義語:前貼り |
【うすびょうし】 薄表紙 flexible cover | 「厚表紙」に対する言葉。上製本の表紙の一種。地券紙などの薄い芯紙に表紙を貼ったものが薄表紙である。芯紙の外側からクロス・布などの表装材料を貼り、表紙を柔軟にしている。辞書などに多い。 対義語:厚表紙 |
【うちかえし】 打ち返し | ページ物を印刷する版を組みつけるさい、表裏にあたる版を同時に組みつけて用紙の片面に印刷、それを左右逆に裏返し、もう片面にも印刷する方法。用紙1枚で2部分が印刷される。 →どんでん掛け |
【うちぬきとじ】 打ち抜き綴じ | 「ぶっこ抜き」ともいう。雑誌やパンフレットなどの保存本の合冊の平とじ(糸とじ)するときの用語。 →ぶっこ抜き |
【うらうち】 裏打ち | 紙や布地類の裏に、補強や製品の仕上げを良くするために、薄い紙や布を貼ることをいう。裏貼りとも言う。 |
【うらうつり】 裏移り set off / offset | 印刷物が積み重ねられた状態で生じるトラブルで、用紙表面または裏面のインキがその反対面に転移する現象。紙むけを伴う場合はブロッキングと呼ばれる。顔料が昇華性をもつ場合に生ずる現象は「ブリード」。ワックス系インキの裏移りでは光沢面が白濁する。またローラー・圧胴に先刷面が転移して、後刷面(上がり面)に転移する場合も一種の裏うつりである。 |
【うらじろ】 裏白 back no-printing | 紙の表だけに印刷をほどこし、裏は白いままにしておくページを指す場合と、印刷作業のミスで紙の片面が印刷されずに出てくるものを意味する場合の二つがある。 対義語:表白 |
【うらばり】 裏貼り | 「裏打ち」のこと。上製仕立ての表紙の裏面に紙などを貼ることもいう。 →裏打ち |
【うらびょうし】 裏表紙 back cover | 本の表裏画面の表紙のうち、裏の部分の表紙である。「表表紙」「上表紙」の反対側の表紙。 対義語:表表紙 |
【うらみかえし】 裏見返し off endpaper | 書物の巻末の「見返し」のこと。 対義語:表見返し |
【うりあげかーど】 売上カード order slip | 短冊状の紙片の中央部分を半円に打ち抜き、二つに折って書物の上部に挿入するスリップ。書店が売上げ計算や発注書として使う。花札の坊主の絵柄に似たところから「坊主」ともいう。 同義語:スリップ |
【うわびょうし】 上表紙 top cover / front cover | 表表紙(おもてびょうし)のこと。 |
【うわやま】 上山 | 本製簿表紙の場合に、中身をくるみ、表紙の上からパッキングをかけること。 |
え | |
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【えいいんぼん】 影印本 | 原本(底本)から写真製版法でコロタイプあるいはオフセット印刷した極めて精巧な複写本。 |
【えこぐち】 絵小口 picture edge | 本の小口装飾の一種。前小口をよく磨き、小口を斜めに固定して模様などを画き、金泥などで装飾する。本をとじると絵は圧縮され、開くと正常の絵が現われる。 |
【えびすがみ】 恵比須紙 dog's ear | 本の小口が折り込まれて、裁ち残った部分。折れこんだまま仕上げした。折れこんだ箇所を開くとエビスさまの頭巾に似た形なので付けた名称。 |
【えんどりーふ】 エンドリーフ end leaf | 二つ折りされた見返し紙のうち、表紙裏に貼り付けられた紙。見返しの遊びでない方の紙。 関連用語:遊び紙 |
【えんぼすかこう】 エンボス加工 embossing | 紙を雌型と雄型の間にはさみ、加圧して文字や絵柄を浮き出させる加工。 |
お | |
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【おいがけ】 追い掛け [印刷用語] | 千鳥掛けのこと。 |
【おいちょう】 追い丁 | 全集本などで、1巻から各巻へページを通してつけることをいい、雑誌の1年分を通したページや、その一部分の連載物のページを続けてつけることをいう。 同義語:通しノンブル・通しページ |
【おいばん】 追い番 | 伝表類に、番号印刷した記号。整理番号のこと。 (1) 一冊単位の番号を(単番)、 (2) 一種一連番号を(追い番)、 (3) 一種ごとに付号を付して番号を入れたものを(千字薄)、 (4) 一冊ずつの番号と一枚ずつの番号を組み合わせたものを、(親子ナンバー)という。 (5) この外に、ナインチェック(nine check)といって、親子ナンバーの下一桁を組み合わせて、9となるナンバー方式が採用されている。 →整理番号 |
【おうはん印刷】 | 版面の凹んだ部分にインキをみたして印刷する印刷方式。写真技術を利用した凹版印刷をグラビア印刷といい、出版物・書籍・包装材料・建材などに広く用いられている。これに対し、直刻凹版(ビュラン彫り、ドライポイント、メゾチント)と食刻凹版(アクチント、エッチング、針彫り)を用いる狭義の凹版印刷は、偽造防止を目的とした証券や株券等に一部使われるほか、芸術的分野の版画にもちいられている。 |
【おおだち】 大裁ち | 刷り本を次ぎの作業をしやすくするために、断ち割ること。断ち割りは、16ページずつに断ち割ることが原則で、全紙版は二つ裁ちあるいは四つ裁ちとする。平版多色刷や別丁類は、一枚裁ちするものもある。 同義語:断ち割り、荒裁ち、荒切り、あい裁ち、あい切り、中落し、中裁ち |
【おおわけ】 大分け | 結束された折り丁は、次の作業に取りかかる前に、折り丁を通常100ページ単位に区分すること。 関連用語: 小分け |
【おきおり】 置き折り | 刷り本を仕事台上に積み重ね、一枚ずつを輪郭か版面を見当として手折りする方法。 |
【おくづけ】 奥付け colophon / imprint [印刷用語] | 書籍・雑誌の出版事項を記載したもの。後付けの一種として巻末のページに刷り込まれるのが多い。 昔の日本や中国の刊本では、出版のとき、場所・著者・刊行者など出版事項に関した記載を刊記といい、刊記の長文のものを刊語と呼んだ。刊記は巻後にあることが多く、その場合奥付けと名付けた。 |
【おび】 帯 book band / girdle | (1) 丸味出ししたあと、丸味か戻らないように前もって締めておく細い布。クロス類の裁ち落としや、ゴムバンドが利用される。 (2) 簡易包装に使うハトロン紙、クラフト紙。 |
【おびかけ】 帯掛け | 本や包装に帯を掛ける作業。 |
【おもてしろ】 表白 | 表のページが白で、裏に印刷してある。「裏白」の逆。 |
【おもてびょうし】 表表紙 front cover | 書冊類は、両面の表紙で覆われているが、その表側の表紙で、多くは書名などが刷り込まれている。 同義語:上表紙 |
【おもてみかえし】 表見返し top end paper | 本の巻首に貼り込まれている見返し。 対義語:裏見返し |
【おやこナンバー】 親子ナンバー | 伝票のナンバー打ちの一種。伝票一冊あての番号と一枚あての番号を組み合わせたナンバーの打ち方。 →ナンバー打ち |
【おり】 折り folding | 刷り本(書籍・雑誌などのページものの場合の印刷された紙のこと)をページが正しい順序になるよう、折りたたむ作業のこと。刷本には何ページ分もの紙面が印刷されており、面付けは刷本をどのように折るか、あらかじめ折り上がりを想定して行われる。 1回折ると小口側が2枚になり、これを「二つ折り」または「4ページ折り」という。2回折って小口が4枚になるのを、「四つ折り」または「8ページ折り」。3回目の折りは「3度折り」「16ページ折り」「小折り」という。 <折りの種類>・二つ折り・三つ折り・回し折り・巻き折り・観音折り・平行折りなど |
【おりぐせ】 折り癖 fold habit | 紙をあしらったさいに紙につけられた折りむら(紙のくせ取り痕跡) |
【おりこみ】 折り込み | 本文ページの判型より大きい別紙を、二つ折り、または三つ折りなどに折って、袋部分を小口側にしてページの間に貼りこんだもの。 |
【おりじるし】 折り印 register mark | 製版・印刷・製本などに狂いを生じないよう正確な位置を示した目印。ふつう十字形でそれが昆虫のトンボに似ているところからトンボの俗称がある。その用途によって各種のトンボが考案されている。 同義語:折り記号、トンボ |
【おりちょう】 折丁 fold section / signature | 製本するために折りたたまれた刷り紙で、本の中身を構成する1単位。4ページ・8ページ・12ページ・16ページ・32ページ折りなどがある。貼り込み・入紙したものは丁合い時には一つの折丁として扱う。2ページ(ペラ)だけの紙葉は、「折丁」に対し「ペラ丁」という。 |
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