●背中の綴じ糸をそのまま見せる並製本の一種。開きの良さと見た目のユニークさで人気の製本様式。
糸綴の背中をそのまま見えるように本を仕立てる仮製本様式で糸綴並製本ともいいます。“バックレス製本”などとも一部で呼ばれています。
特徴として、本の開きがとても良くノド元まで開くため、手で押さえなくても開いたままの状態を保つことができます。
図録・写真集などの見開きページの多い本に適した製本方法です。
綴りに用いる糸の色は、一般的な白色以外に各種の色を使用することができます。打ち合わせ段階でご指定いただければご用意いたします。
写真①:糸綴の背中をそのまま見えるように本を仕立てる仮製本様式で、背中が丸見えのため、汚れ・固めのボンドの食い込み・ブロッキングなどに注意をしながら製本をします。
この本は、手固め・自然乾燥で作製しました。また、仕上げのカバー・帯なども規格外のため、全て手作業で行っております。
写真②:同じ並製表紙スタイルのコデックス装ですが、綴糸に黄色の糸(#181)を使用しています。色糸の色が薄いため、見づらい場合は画像を拡大してご覧ください。
この図録は担当デザイナーさんから「変わった製本にしたい」というご希望があったため、まず製本会社探しから始められて、当社HPよりご依頼をいただきました。印刷からすべて受注させていただき、用紙の選定などから携わらせていただいた本です。
スタイルは綴りの糸目を見せたいとの要望によりコデックス装にしました。表紙は上製スタイルで本体と同じ大きさに、ただし芯ボールの断面は見せたくないとのことで四方貼り加工をしました。表1(オモテ表紙)にはツブシの箔押しをし、そこに和紙系の紙に活版印刷で篆刻を刷り外題貼りしてあります。表4(裏表紙)の角にはロゴマークを空押ししツヤをつけるなど、細部にまで凝った装丁になっています。
表紙くるみの作業は、少しでもずれたり曲がったりすると本体からはみ出てしまうため慎重に手作業いたしました。
内容は5人の写真家さんの合同作品集です。
A5変形の糸綴じ製本で、仮製本と上製本の中間の様な造本です。ノド元まで開き、見開きの写真も見やすい作りになっています。
製本方式は、「綴りの糸の跡が見えるように」というデザイナーさんのご希望で、仮固めした背に布クロスを直に巻き込み、チップボールに表紙紙を合紙したものを前後別々にベタくるみした後、仕上げ断裁をしました。そのため、本の四方にチップボールがみえています。
箱に関しては、表1(表側)にツブシの空押しを施し、作家さん別の写真シールを空押し部分に貼り付けしています。
革バックブランド・HERZさんの40周年記念の本です。デザイナーさんが当社ホームページをご覧になりお問い合わせくださいました。その後メールのやり取りや直接お会いして、製本様式や装丁など様々な打ち合わせを重ね仕上がった本です。
製本では「40周年記念なので、表紙を4層に見せたい。背はコデックス装に、ただしHERZ製品の堅牢さと同じく耐久性も欲しい」というご要望をお持ちでした。また、使用する用紙の選定にもこだわりがありました。
その結果、見返しは触るとヌメリ感のある「NTスフール」を使用し、表紙は「エースボール薄茶」と「チップボール」を交互に4層合紙し、表裏別々に本体にベタ貼り後、断ち落としする形式にしました。また、隠れたこだわりで、綴糸は薄いグレーの色糸(#121)を使用しています。背は裏打ち寒冷紗を巻いて強度を出しつつ、綴の糸目跡が浮かぶようにしてあります。
四六判(天地188mm×左右128mm)の綴・コデックス装の、さかざきちはるさんのイラスト集です。表紙は中身を固めた後にボール紙系の物を見返しのノド4mmにボンド付けをして、裏表それぞれを貼り合わせています。(表紙のり付作業動画参照)
最大の特徴としては、背標をデザインし、題名と著者名が浮かび上がるようにしているところです。落丁や乱丁防止のために付けられる背標は一般的に階段状に付けられることが多いですが、これはきちんと文字に見えなければいけないため、わずかな折りのズレにも気をつけ慎重に作業しました。
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